2015年度(平成27年度)都道府県別一般財源の割合ランキング

統計データから読む,総務省

地方自治体の財政運営において、一般財源の割合はその自治体が自由に使える資金の比率を示す重要な指標です。

一般財源が多いほど、自治体は独自の政策を柔軟に実施できる一方で、少ない場合は制約が多くなる傾向があります。この記事では、2015年度(平成27年度)の都道府県別一般財源の割合ランキングを詳しく解説し、各都道府県の財政状況について考察します。


ランキング基準の説明

一般財源の割合は、地方自治体の歳出決算総額に対する一般財源(地方税、地方交付金、国庫支出金などを除いた自由度の高い財源)の比率を示します。全国平均は61.7%で、これを基準に各都道府県の一般財源割合が比較されました。

2015年度(平成27年度)の都道府県別一般財源の割合ランキング

統計でみる都道府県のすがた2018/D行政基盤/総務省

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都道府県別
2015年度(H27年度)
財政力指数実質収支比率地方債現在高の割合別経常収支比率自主財源の割合一般財源の割合投資的経費の割合地方税割合地方交付税割合国庫支出金割合住民税(人口1人当たり)固定資産税(人口1人当たり)課税対象所得(納税義務者1人当たり)
上記同様
(対歳出決算総額)
民生費割合社会福祉費割合老人福祉費割合児童福祉費割合生活保護費割合衛生費割合労働費割合農林水産業費割合商工費割合土木費割合警察費割合消防費割合教育費割合災害復旧費割合人件費割合扶助費割合普通建設事業費割合
上記同様
(人口1人当たり)
歳出決算総額民生費社会福祉費老人福祉費*1|児童福祉費*2|生活保護費*3|衛生費土木費警察費消防費教育費社会教育費災害復旧費公立小学校費*4|公立中学校費*5|公立高等学校費*5|特別支援学校費*6|幼稚園費*4
*1:65歳以上人口1人当たり、*2:17歳以上人口1人当たり、*3:被保護実人員1人当たり、*4:児童1人当たり、*5:生徒1人当たり、*6:児童・生徒1人当たり
統計でみる都道府県のすがた2018/C経済基盤/総務省

上位都市の詳細な説明

1位: 東京都 (一般財源割合: 78.4%)

東京都は一般財源の割合が78.4%と全国で最も高く、自由度の高い財政運営が可能となっています。東京は全国の経済の中心であり、豊富な税収によって他の自治体に比べて圧倒的に有利な財政運営を行うことができています。

2位: 神奈川県 (一般財源割合: 74.6%)

神奈川県は74.6%の一般財源割合で全国第2位です。首都圏の一角として、企業の集積や高い所得水準が安定した財政基盤を支えています。

3位: 埼玉県 (一般財源割合: 69.4%)

埼玉県は69.4%と高い割合を示しており、これも首都圏に位置する利点を活かし、豊富な税収を確保できていることが背景にあります。

一般財源割合の分布と地域ごとの特徴

一般財源割合の分布を見ると、首都圏を中心とした大都市圏や経済活動が活発な地域で高い割合が見られます。これらの地域では、財政の自由度が高く、地域独自の施策を推進する余力があります。

一方で、東北や九州の一部地域では一般財源の割合が低く、特に福島県では29.7%と非常に低い値を示しています。これは、震災からの復興や経済活動の低迷が影響していると考えられます。

まとめと将来の見通し

2015年度の一般財源割合ランキングを通じて、各都道府県の財政運営の自由度や経済的背景が浮き彫りになりました。東京都や神奈川県などの大都市圏は高い財政の自由度を誇り、さまざまな独自政策を展開することができます。しかし、地方部や災害の影響を受けた地域では、財政運営における制約が多く、これらの地域がいかにして一般財源を増やし、健全な財政運営を実現するかが今後の課題となります。


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