2015年度(平成27年度)都道府県別経常収支比率ランキング

統計データから読む,総務省

経常収支比率は、地方自治体が日常的な行政サービスの提供や公共施設の維持管理にどれだけの支出を充てているかを示す重要な指標です。

この指標は、財政の硬直性を表し、高いほど柔軟性に欠け、逆に低いほど財政運営の自由度が高いことを意味します。この記事では、2015年度(平成27年度)の都道府県別経常収支比率ランキングを詳しく解説します。


ランキング基準の説明

経常収支比率とは、地方自治体が毎年固定的に支出する経費(人件費、扶助費、借金返済など)が歳入に占める割合を示します。全国平均は94.1%であり、これを基準に各都道府県の経常収支比率が比較されました。

2015年度(平成27年度)の都道府県別経常収支比率ランキング

統計でみる都道府県のすがた2018/D行政基盤/総務省

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都道府県別
2015年度(H27年度)
財政力指数実質収支比率地方債現在高の割合別経常収支比率自主財源の割合一般財源の割合投資的経費の割合地方税割合地方交付税割合国庫支出金割合住民税(人口1人当たり)固定資産税(人口1人当たり)課税対象所得(納税義務者1人当たり)
上記同様
(対歳出決算総額)
民生費割合社会福祉費割合老人福祉費割合児童福祉費割合生活保護費割合衛生費割合労働費割合農林水産業費割合商工費割合土木費割合警察費割合消防費割合教育費割合災害復旧費割合人件費割合扶助費割合普通建設事業費割合
上記同様
(人口1人当たり)
歳出決算総額民生費社会福祉費老人福祉費*1|児童福祉費*2|生活保護費*3|衛生費土木費警察費消防費教育費社会教育費災害復旧費公立小学校費*4|公立中学校費*5|公立高等学校費*5|特別支援学校費*6|幼稚園費*4
*1:65歳以上人口1人当たり、*2:17歳以上人口1人当たり、*3:被保護実人員1人当たり、*4:児童1人当たり、*5:生徒1人当たり、*6:児童・生徒1人当たり
統計でみる都道府県のすがた2018/C経済基盤/総務省

上位都市の詳細な説明

1位: 大阪府 (経常収支比率: 99.8%)

大阪府は、経常収支比率が99.8%と非常に高く、全国で最も高い比率を示しています。これは、府の財政が硬直化していることを示しており、新たな財政的余裕を見出す余地がほとんどないことが伺えます。

2位: 愛知県 (経常収支比率: 98.8%)

愛知県は98.8%と全国第2位の経常収支比率を持っています。工業都市としての性質が強く、固定費が高いため、このような高い数値になっていると考えられます。

3位: 三重県 (経常収支比率: 97.9%)

三重県は97.9%という高い経常収支比率を示しており、行政サービスの提供に必要な固定費が大きな割合を占めていることがわかります。

経常収支比率の分布と地域ごとの特徴

経常収支比率の分布を見ると、大都市圏や工業地帯に位置する都道府県で高い比率が見られます。これは、都市化や産業集積が進んでいる地域では固定費の割合が増加しがちなためです。一方、東京都は81.5%と低い数値を示しており、財政の柔軟性が高いことが特徴です。

また、地方部では比較的低い経常収支比率を示す地域もあり、これらの地域では財政の柔軟性を確保しつつ、行政サービスを提供していることがうかがえます。

まとめと将来の見通し

2015年度の経常収支比率ランキングを見ると、地方自治体ごとの財政の硬直性や柔軟性が明確になりました。特に大都市圏では、経常収支比率が高く、財政の硬直化が進んでいることが課題となっています。今後、これらの地域では、財政の健全化や新たな財源確保のための取り組みが求められます。

一方、東京都のように財政の柔軟性が高い自治体は、その強みを生かしてさらなる発展を目指すことが可能です。しかし、全国的には経常収支比率の適正化が求められており、持続可能な財政運営に向けた取り組みが重要となります。


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